クリスマスイブの夜に知らない人が家に訪問してきた話。
2022年12月24日。
無職で実家暮らしの私は、少しでもクリスマス気分を味わえないかと、
家でローストチキンを手作り、ワインを飲むなどして、家族とのんびりとした時間を過ごしていました。
そんなちょっとしたパーティ気分を楽しみ、お酒でふわふわしていた食後の夜21時頃、
ピンポーンと家のインターホンがなりました。
「こんな時間に誰?」
と言いつつドアホンに出る母親。
しばらく話を聞いた後、母は父親に声をかけました。
「道に迷ったって言ってるんだけど、対応してくれない?」
そんなにすんなり対応していいのか、危ない人ではないかと焦った私は、
対応しようと玄関に向かう父を追いました。
そして父親も少しだけ警戒しつつ、家の門は開けずに、門を隔てて男性と会話を始めました。
クリスマスイブの夜、私の家は住宅地なのであたりは真っ暗。
そんな中、その60歳代くらいの男性は、
何時間も歩き、真っ暗になって家に帰れなくなり、困り果ててこの家に助けを求めたといいました。
父が住所を尋ねると、男性は自分の家の住所を伝えてくれたので、
玄関で話を聞いていた私が即座に住所を検索。
住所は実際にある住所で、ここから歩いて40分ほど離れた場所であることがわかりました。
父がスマホを持っていなかったので、私は家を出て、直接その男性と話すことに決めました。
おうちの近くにココスありますよね?
私がそう聞くと、男性はありますあります、と伝えてくれました。
直接話してみた感じ、怖い人ではなさそう。
本当に迷ってしまった人なんだな。とほぼほぼ確信をしました。
父はお酒を飲んでいたので、車で送ることもできず、
タクシーを呼ぶことも試みましたが、何社かのタクシー会社に断られ、
本数は少ないもののバスはまだ走っていたので、
色々検討した結果、
10分ほど歩いた場所にあるバス停まで父親が連れて行くことにしました。
「お父さんが男の人をバス停まで連れて行くことにしたよ。」
と家で待っていた母親に伝えると、最後まで警戒していた母は、
父親と男性を追いかける!
といい、全く乗り慣れていない自転車でふらつきながらバス停へ向かうことに。
父親も少し心配だし、
ふらつきながら自転車で出た母親も転倒するんじゃないかと心配になり、
その後結局私も両親を追ってバス停に向かうことにしました。
結果、
父は迷い人を心配し、
母は父親を心配し、
私は母親を心配し、
家族総出で家を出ることに、笑
こうして私たち家族3人はバス停で合流し、
迷い人を見送りました。
結論、迷い他人の男性は、
全く悪い人ではなく、おそらく痴呆などが始まっているのかな。というところ。
父親が話を聞いたところによると、
奥さんが他界し、二人の息子は一緒に住んでおらず、ひとりで住んでいるということで、
このクリスマスイブの日に、道に迷い、真っ暗で寒い中、何時間も歩き、
すがる思いでインターホンを鳴らしたという心情を考えると、
とても胸が痛くなりました。
さらに、バス停でバスに乗せる際、
「一緒に乗ってくれないの?」
と、とても不安そうに話したそうです。
自分で自分をコントロールできなくなっていることに気づいていて、
とても不安なんだろうなと思うと、心が苦しくなりました。
ハッピーな気分だったクリスマスイブのディナーから一転、
色々考えさせられた出来事。
これを機に、今後起こり得る課題と向き合いたいと思ったのでした。